過去を償うために今懸命に生きてみる
何となく、理不尽なことがあったり、大変なことがあったりして、めげそうになったり、落ち込んだり、やる気がなくなったりすることがあります。
なぜ、自分がこんな目に会うのだろう、とか、なんて不運なんだろうと、思い悩み、気楽に楽しく生きている人が周囲にいると、その比較で、ますます惨めな気持ちになったりもします。
そんな自分を奮い立たせるために、「この経験は自分を成長させてくれる」とか「これを切り抜けていくことで自分以外に貢献できる」など、前向きに考え、真摯に取り組んでいくことも大事です。
ただ、モチベーション的に、そのような気持ちにどうしてもなれないし、明るく元気に振舞おうとしても、どうしても、暗くつらい気持ちが前面に出てしまい、そのような自分の気持ちを取り繕えない時も多いです。
そのような時に、私がふと思い出すのは、昔の自分がやってしまった愚かで思慮が足りない言動などです。気持ちが後ろ向きになっているせいか、あまり良いことは思い出せずに、昔の後ろ向きでマイナスのことばかり思い出すのですが、その時、自分がしてしまった、あまり良くないことも思い出すのです。
そして、そのような自分の愚かで思慮が足りない言動を思い出し、それによって、人を傷つけたり、迷惑をかけたり、嫌な思いをさせたということを感じると、本当に自分が嫌になったりしますし、その相手に申し訳なかったという思いでいっぱいになります。
もしかしたら、そのような中には、今からでも直接相手に謝罪をした方が良いこともあるかもしれませんが、ほとんどのことは、もう過ぎ去ったことで、私と再会したり、そのような話題を出さない限りは思い出されないようなことかもしれません。
ただ、私がふと思い出した時に反省しているのと同じように、もしくはそれ以上に、相手もふと思い出した時に心に痛みや怒りを感じているかもしれないのです。
そう考えると、相手に直接謝罪をしたり、直接償いをするわけではないのですが、せめて、今自分ができることに真摯に取り組むことで、ささやかな償いをする、ということも大事かなと思います。
そして、理不尽なことがあったり、大変なことがあったりしても、直接はそれと関係なくても、これに真摯に取り組むことが、過去の自分の愚かで思慮が足りない言動のせめてもの償いなんだ、と思えると、理不尽であったり、大変なことに対する不満ややる気のなさが緩和されるのです。
要は、過去の自分がしてきたことへの償いの気持ちを、今の自分の行動への原動力にするのです。
これは、決して前向きなものでもないし、楽しいものでもありません。ただ、自分の心や気持ちにウソをつくものではなく、素直な原動力になりやすいし、仮にうまくいかなかったとしても、過去の自分を癒せ、うまく行った場合には過去の自分も今の自分も癒すことができます。
プラス思考をするスタイルが、何か自分の心や気持ちにウソをついていて違和感を感じてしまうような人には、お薦めの考え方&心持ちだと思います。