怒ることのメカニズム
私はよく怒ってしまうのですが、怒ってしまうメカニズム、そして、それに基づいたアンガーマネジメントなど、怒りを静める様々な方法を示したものがありますが、結局、怒る理由はシンプルで、単純に、
「自分の期待するものに、その期待に答えてくれるべきものが答えてくれない」
という理由だけです。
自分が期待していることに、自分が、その期待に答えるべき、と思っている人がきちんと答えてくれていれば怒りを感じることはありません。
この「期待するもの」というのは、日常的にあるのは「自分に対してやってくれること」です。
たとえば、会社員の夫と主婦であれば、主婦の夫への期待は「給料」でしょうし、夫の妻への期待は「家事」でしょう。
そして、相互にその期待に答えるべきと思っていますから、その期待が裏切られるようなことがあれば「怒り」を感じてしまうわけです。
また、世の中には、パワハラや意地悪、嫌がらせなど、こちらが嫌でつらい気持ちになることをしてくる人がいます。
この人たちに怒りを感じるメカニズムは、自分に対して何も危害を加えてこないことが当たり前という「期待」を無意識に持っているのに、それを裏切られるため、相手に対して怒りを感じるのです。
では、怒らないようにするにはどうしたらよいかと言うと、期待しなければいいのです。そして、期待したいならその対象を変えればいいのです。
期待しないということは、時に諦めにもなるでしょうし、考え方を変えることでもあります。そして期待する対象を変えるということですが、「期待する人」を変えるのは難しいので、「期待する環境」を変えるのは大いにありだと思います。
そして、「期待する人」を変えるということで言うと、それをする場合には、変える対象が「自分自身」になることが多いかもしれません。そもそも他人に期待して怒る場合には、自分自身でやってもいいし、やらなければいけないことも他人にやってもらいたいと思っていることが多いからです。
すべてのことについて怒らないようにしなければいけないということではありません。
怒らないようにするにはどうしたらよいかを考えている人は、たぶん、必要以上に怒ってしまっていることを反省している人なので、そのような人について言うと、その効果的な考え方というのは、「期待しない」「期待の対象を変える(特に自分自身に)」ということがとても有効だと思います。
あまり怒らず穏やかな人は、過度な期待をせず、「やってくれたらうれしい」ぐらいの気持ちでいつもいると思います。だからこそ、やってもらえた時に嬉しくなり、感謝の気持ちが湧いて感謝の言葉も出る、だから、さらに好かれることになるのです。
ついつい怒ってしまう人は、「期待しない」「期待の対象を変える(特に自分自身に)」に思い切って舵を切ってみて、それで起こることをぜひ観察してみてください。