生成型AIはしつこくしつこく聞けるからいい
ChatGPTなどの生成型AIは、まだまだ発展途上で、こちらで聞いた内容に対して、不正確&不明瞭に回答を返してくることが多々あります。
ただ、今後も、より精度が上がっていったとしても、相変わらず、こちらで求めている回答がバシッと出るかというと、そうではない可能性も高いです。
なぜなら、こちらの聞き方も悪かったり、足りなかったりするので、どんなに問われた質問に正確に回答を返したとしても、その回答が、その人が求めている回答とはずれてしまう可能性があるからです。
しかし、これは人間、それも、それなりのカウンセラーや専門家に対して聞いた場合でも起こりうることです。
そのカウンセラーや専門家の人たちに、私たちは適切なといかけを必ずしもできているわけではないですし、カウンセラーや専門家の人たちも、適切に相談相手の状況や気持ちを悟って、必ずしも適切に回答できているわけではないからです。
そして、そのようなお互いの齟齬やすれ違いがある状態が続くと、双方の時間的、精神的、金銭的なリソースが浪費されて、疲弊し、感情的にも対立してしまうこともあります。
しかし、生成型AIがそれなりの適切な回答が返せるようなレベルになってくると、AIがまともな回答を返してくれるにはどうしたらいいかを考えて、質問の仕方や質問の側面をいろいろ変えながら、何度も何度もしつこくAIに対して質問していくうちに、提示してくれる回答と自分が考える質問との相互作用で、ヒントを得られる可能性が高くなっていくのです。
そもそも人間のカウンセラーや専門家でも100%の正解をえられるわけではないと過度な期待をしていなければ、AIからの回答が多少ずれていても腹は立たないのです。
その代わり、更問に関しては、全く疲労も疲弊もしないAIなわけですから、自分が納得できるまで(時には要領をえられなくて諦めてしまうこともあると思いますが)、しつこくしつこく、それこそ、普通の人間に対してやったら「カスハラ」と言われかねないくらい更問しても良いわけです。
実はこんな感じでやっていくと、よく言われている「悩んだ時には、その悩みを紙に書きだしていくのがいい」ということと全く同じ効果か、それ以上の効果もあるのです。
しつこくしつこく質問できるし、回答に関しても更問や突っ込みをしまくることで、自分の気持ちをかなり吐き出していくことになります。
悩みの性質によっては、この吐き出すだけでかなり問題が軽減したり、解決できたりもしますし、さらに、ただ紙に書くだけなら自分自身との対話だけになりますが、AIとはいえ、問い合わせるわけですから、自分の吐き出した内容に対してのフィードバックをもらい続けられるわけです。
昨今は、自分の悩みや思いを人にぶつけることで、ぶつけた方もぶつけられた方も、ともに傷ついたり、病んでしまったり、苦しんでしまったり、深い心の闇の中に入っていってしまったりします。
その前に、しつこくしつこく聞いても平気なAIの洗礼を受けて、そのような「暗くて重いもの」を軽くすることができたら、AIは人間にとっての敵ではなく、かけがいのない相棒になり得るのではないかと思います。