自分の契約している口座やサブスクを整理しておく
義父が急に亡くなった時、義父の身辺整理をしないといけなかったのですが、義父がどのようなサービスを契約し、どのような金融機関にお金を持っているかがわからず、その整理をするのに混迷を極めるかと思われました。
しかし、銀行の通帳の記帳内容を見ただけで、すぐに解約すべきものが特定でき、あっという間に解約処理を完了してしまいました。
義父は、必要最低限のライフラインと銀行口座一つしか契約していなかったからです。
銀行通帳の記帳内容を2年くらい遡ってみても、特別な定期的な引き落としが発生していませんでした。
義父自身の特徴でもあり、この世代の方々の特徴でもあるとは思うのですが、生活が極めてシンプルで、遺品だけで、ほぼその生活内容や契約内容が把握できてしまう状態だったので、本当に助かりました。
しかし、今の60歳代以下の方であれば、普通に過ごしていても、知らないうちにありとあらゆる契約をしていると思います。
銀行口座は当然として、スマホや光回線/Wi-Fiという通信関係の契約の他、Amazon、楽天などのショッピング系、各種証券口座、生命保険、クレジットカードなど、一人の人間に関わる契約は多種多様にわたります。
そして、おそらく、本人から通常聞いていたり、日常生活から知りうる契約以外にも、たくさんの契約がある可能性があります。
特に、銀行口座や証券口座などは複数存在している可能性が高いし、サブスク系サービスについては、その人しかわからない、いろんなものを契約している可能性があります。
本人が亡くなっているのにクレジットカードや銀行引き落としが続く状態も良くないし、逆に、課金を止めるために、クレジットカードや金融機関を解約した際に、その亡くなられた方が家族のために契約してくれていて、家族共有のサービスとして利用できていたサービスが利用できなくなる可能性もあります。
特に気をつけなければいけないと思っているのは、金融資産とデジタル資産です。
金融資産はわかりやすいと思いますが、その口座の有無を家族が知らず、かつ、通帳のような遺品もなければ、存在がわからないままの状態になってしまう恐れがあります。しかも、ネット銀行、ネット証券利用が当たり前の世代が、どんどん高齢化していくので、ますますリアルな世界ではその存在が確認できず、IDとパスワードがわからない限り、闇のままになってしまう可能性は非常に高くなります。
そして、今後、気を付けなければいけないのは、デジタル資産です。
その亡くなられた方が管理している、もしくは、家族のために代表して管理してくれている様々な写真、音楽、動画、PDF等の電子ファイルなどをクラウドに入れていて、それにアクセスできなくなると一切利用ができなくなります。
さらに、ホームページ、メール、ドメイン名なども、その人とともに利用の必要がなくなるのであればいいのですが、継続して利用していきたい場合など、特に、ドメイン名などは放っておくと契約解除されてしまうので注意が必要です。
これら、金融資産やデジタル資産は、長い年月の積み重ねで、残された家族が一気に整理することができなくなるくらい蓄積されているので、せめて、その存在と管理サイトにログインするための情報を残しておくことは非常に重要です。
何とかわかるだろう、とか、口座をゼロ円にしたり凍結したりすれば、勝手にサービス止まるだろう、とか安易に考えていると、まさに、仮想空間にあらゆる資産が凍結され、しかも、その存在を誰も知らずに時が流れてしまいます。
自分がいつどうなるのかというのは、今、若くて健康であってもわかりません。
いざ、家族に自分が契約しているものが何か、そして、それに家族がきちんとアプローチできるだけの情報をまとめるのは、結構、大変なことなので、時間がある時に、自分の情報整理と考えて、ちょっとずつでもやっておいた方がよいと思います。