株主優待を目当てにしない
個人の株式取引においては、株主優待が魅力的な銘柄に投資をしたい方も多いと思います。
株主優待のメリットは次の4点かなと思っています。
- 株主優待がその会社が提供しているものの場合には、応援をしていることになる。
- 株主優待が、一般の市場では手に入らない、株主優待用のオリジナルグッズの場合がある
- 配当金よりも株主優待の価値の方が高い場合がある(配当金のみの提供であるなら、そこまでの金額相当を出さないと想定される)
- 配当金は課税されるが、株主優待には課税されない。
私が考えている株主優待のメリットは4点目だけです。
その会社を応援しているなら、株主優待など関係なく、その会社の商品やサービスをお金を払って利用すればいいし、株主優待で手に入れられるもののほとんどはお金を払えば入手可能ですし、「配当金+株主優待」で、高配当を実施してる会社と同じくらい価値を提供できている会社はあまりないからです。
そして、デメリットとしては、
- その株主優待の利用に縛られ、他のところを利用したくても、株主優待が余っている時には、そちらを利用しないともったいないと思ってしまう。
- 株主優待が廃止されたり、縮小される恐れがあるのと、そのようなことがあると株価が下がる
- 株主優待の提供にコストがかかっている場合には、そのコスト分業績が悪くなる
- 業績があがり、結果、株価があがると、配当の利率を維持するために増配する傾向があるが、株主優待のグレードを株価に応じてあげるところは少なく、結果、相対的に株価に対する株主優待の価値は低くなる。
などがありますが、高配当を維持しつつ、株主優待も用意している、もしくは、配当は普通だが、株主優待の価値が高い、ということであれば、それが維持されている間は投資価値がありますが、低配当で普通レベルの株主優待であれば、株主優待なしの高配当銘柄の方が合理的です。
さらに、最近では、高配当で株主優待も用意している銘柄が、株主優待をやめ、さらに高配当を実現して、株価を伸ばしているケースがあります。
株主優待を提供することで、売り上げ拡大の貢献が高く、かつ、株価を一定以上に維持しつつ高配当を出すよりもコストが低いのであれば株主優待を続けるメリットがありますが、そもそも外国人投資家や機関投資家にとって株主優待は全くメリットがない他、業績悪化で、しょぼい株主優待しか提供できないならば、ターゲットとしている個人投資家も離れていきます。
高配当+株主優待で個人投資家から人気を得ていたオリックスやJTが株主優待を廃止したことで、潮目が変わってきています。
また、JTがそれに伴い、さらなる高配当を実現し、株価があがったことからも、特に、自社サービスや商品に関わらない株主優待を提供していたところは株主優待を廃止する可能性は非常に高いと思います。
そして、食品、外食、アミューズメント、エンターテイメントなど、最後に残った株主優待銘柄も、その株主優待が3%配当金にも満たない、しょぼい銘柄は、いずれ株主優待を廃止していくと私は予想しています。
といういわけで、今、絶賛、今まで購入してきた優待銘柄を売り抜ける作戦を実行中です。。。