株の売り時と投資信託(積立)の売り時
株は、買う時よりも売る時の方が難しいとよく言われます。
本当にそのとおりだと思っていまして、株を買うタイミングは、例えば、相場全体が暴落した時とか、その企業の業績がいいとか、これから伸びそうだけど割安に留まっている時とか、何らかのきっかけや根拠があると思います。
株を買うタイミングに比べて、株を売るタイミングは、相場全体がもう天井になっている感じを捉えていたとしても、必ずしも、その株を売ってしまおう、という気になれません。
また、何%上昇したら売り抜ける、というルールを設けていたとしても、売り抜けた後、ぐんぐんと伸びてしまったりすると、失敗したなと落ち込んだりします。
実際に、今後、その保有している企業がどうなるかはわからないので、売った時の判断が正しかったのかどうかは当面わかりません。その企業が倒産したり、買収されたりしてなくなってしまったら、その時にわかりますが。。。
一方、積み立てでの投資信託、特に、世界株式、米国株式、先進国株式等々の広く分散した株式投信の積み立てにおいては、買い時はもちろん、定額積み立てのため自動ですので、これは考える必要がないのは当然ですが、問題は売り時です。
これらの株式投信で積み立てられたものの売り時は、
「ずっと売らない」もしくは「永遠に保有」
になります。それがどうしても無理なら、
「どうしても現金が必要になった時」
になります。
世界株式、米国株式、先進国株式等の分散された株式投信は、基本的に、経済全体は成長し続ける、ということを前提にしています。
価格の最大地点で売ることが最高の売り時である、という定義に基づけば、その最大のねらい目の時期は「未来永劫」が正解であり、よって、「ずっと売らずに持っておくこと」が正解となります。
ただし、豊かな生活を実現するために投資をしている以上、投資した金額を全く使わない、ということはなかなかありえないので、できるだけ長く投資信託のまま持ち続けつつも、必要な時にだけ必要最小限に現金化すればいいのです。
考えてみたら簡単な話で、歴代最低金額で買うことは個別株も投資信託もほぼ不可能ですが、歴代最高金額で売ることは、個別株は困難ですが、投資信託は長く持ち続ければ持ち続けるほど実現可能性が高くなるからです。
長期投資を好む方については、この売り時の特徴だけを考えても、投資信託の積み立て、特に、世界株式などの分散が効いている投資信託の積み立てがベストな選択となるかと思います。