頑張ると進化しない
努力や頑張りが大事と言われることが多いですし、物事がうまく行かなかった時も努力や頑張りが足りなかったと思う時が多いです。
しかし、私は、この世のほぼすべてのことが、努力したり、頑張ったりすると進化していかないと考えています。
短期的にそこそこの成果は出ることはあると思います。
ただ、単純な努力や頑張りは、今あるリソース(労力)の単純な足し算なので、2倍頑張れば、最高で2倍の成果があがるだけです。
その努力や頑張りに疲れてしまったり、飽きてしまったりすると、2倍頑張っても2倍も成果はあがらない可能性もあります。
努力や頑張りを重視している時は、「今ある手法を変えずに根性で対応している」状態と言えます。
例えるなら、目的地が、歩いていける距離のコンビニから、数百キロ先のテーマパークに変わっても、頑張って歩き続ければいつかは到着する、といった発想です。
頑張るのをやめる、とても頑張れない、頑張ったら損だ、と思うことで、ただ「歩き続ける」しかなかったところから、「やり方を変える」「目的地を変える」「そもそもの必要性を考える」など、様々な、今よりも進化したことを考えることができるようになるのです。
人間の生活も頑張らないようにするために、狩猟から畜産や農業へ、手作業の農業から道具や機械を利用した農業へ、頭で覚え、計算することから、コンピュータやデジタルを活用して自動化へと進化したわけです。
頑張ったら負けです。頑張らないように、頑張る機会を少なくするために、一生懸命頑張らない方法を「頑張って」考えていくわけです。
受験勉強やスポーツの練習など、一見、努力や頑張りが必要なものも、いかに労力や犠牲を少なく勝てるかの戦略を「頑張って」考えるとともに、身に着けた一つ一つのことが、それぞれ個別で独立して終始してしまうのではなく、それぞれが有機的に関連し、次に身に着ける労力を数分の1にするような工夫を「頑張って」していけると、より楽でありながら、さらなる進化を図ることができるようになります。